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将棋のメモ用

金立ち戦法 自戦記(5)

今回は、先手のノーマル中飛車に対して金立ち戦法を採用した。

金立ち戦法は5七金戦法や4六金戦法(5三金戦法、6四金戦法)等と名称がはっきりしない戦法です。

基本的にはノーマル中飛車に対しての急戦策として昭和の時代に指されていた戦法らしい。

中原先生がはじめて名人になった時に名人戦中飛車を採用した時に大山先生が採用した戦法。

最近、興味が出てきた戦法で棋譜並べをしていることもあって採用しました。

 

 

図は△6四金と上がったところ。

先手は珍しいノーマル中飛車で、後手の△5三金をみて、3手囲いからツノ銀中飛車を選んできた。

金立ち戦法は実は思い出深い形だったりします。

今から20年以上前ですが、私が小学生の頃の得意戦法がツノ銀中飛車で放課後に担任教師に挑戦することがあったのですが、その時にいつも担任教師が採用していた戦法が金立ち戦法でした。

当時は、将棋の戦法なども大して知らなかったですし入門書などには「玉の守りは金銀3枚」「攻めは飛車角銀桂」と格言で書いてあるくらいしか知らなかったので変な形で先生のオリジナル戦法だと思って少しバカにしていたのかよく覚えています。

当時でも古い戦法だったはずですし、よくこんな戦法を知っているな〜と思いますがあの担任教師は結構将棋好きだったのかもしれません(笑)

 

そんな理由で思い出深い戦法なのですが、本来は守りに使う金を攻めに投入するので他の戦法とは違った不思議な魅力のある戦法です。

 

図は▲6五歩とした局面

後手からの△7五歩の仕掛けに対して、お互いに歩を取らずに先手は玉の整備(▲3六歩▲3七桂▲4八金の3手)後手も力を溜めて(△9四歩△5三銀△8四飛)と数手間合いを図っていましたが、後手の△8四飛が入って後手から△7六歩と歩を取り込んで▲同銀に△7四飛と回って7筋から攻めていく手段が出来たので先手から▲7五歩と取って△同金に▲65歩と角道を開けて決戦を仕掛けてきた局面。

 

先手から▲2二角とされると同玉とした形が悪いため、後手としては当然こちらから△7七角と取ることになる。

この手に対して▲同桂と桂馬で取り返す手には△7六歩と桂頭を攻める手があるため先手は▲同金と取ってきた。

ここは対局中に想定していた局面で、△6五桂と桂馬を活用出来て後手いいだろうと思っていました。

(図は△6五桂と跳ねたところ)

 

対局中はこの桂跳ねが金当たりになるので相当後手いいだろうと思ってましたが、先手は▲7六金と金を上がってぶつける手があってなかなか難しい局面だったみたい。

その手は全く読みから抜け落ちていた。

本譜は▲7八金と下に逃げてくれたので△7六歩と垂らして次に7七で精算して△6八角の飛車金両取りが厳しいと考えていました。

本譜は△7六歩に▲7三角と先に飛車香両取りをかけて攻めあってきましたがこの手が先手ははっきり悪かったみたい。

(▲7三角と先手が攻めあってきた局面)

後手は△8一飛が優ったみたいですが、本譜は△7四飛と角に当てながら飛車を逃げて先手は当然▲9一角成と香を取ってきましたが、△7三歩成▲同桂△同桂▲同金と7三で精算して△6八角と打ち込んでハッキリ後手優勢となりました。

(△6八角と飛車金両取りに角を打った)

 

やはりこの手が厳しいので△7六歩に▲7三角に代えて▲6九飛と飛車の筋を変えておけば互角だったみたい。

 

この後は7五の金を捌いて、7四の飛車を成り込んで寄せていった。

なかなか綺麗に攻めが決まって気持ちのいい将棋でした。