厚み重視ブログ

将棋のメモ用

玉頭位取り 自戦記(4)



本局は先手ノーマル四間飛車に対して後手の自分が玉頭位取りを指した。

 

今回先手は▲78銀型で待機策の方針。

今、後手が△42金上と指したところ。

基本的には、玉頭位取りは銀立ち矢倉を目指すと思うので、△42金上とすると将来△22玉から△32金とした時に一手損することになるが、早い戦いになった時に△41金型よりも金銀の連結がよく、上部に備えている意味もあるので安心して戦うことができる。

また個人的には長く対ノーマル振り飛車には棒銀を利用していた為、舟囲いのこの金銀の配置に思いれがある。

△33角に▲76銀とした局面。

後手は当然、玉頭方面に手を費やしているが、先手は左辺でポイントを稼ぐ方針。

玉頭位取りとしては、2筋の位まで取れると振り飛車側は銀冠への発展ができない為玉頭の厚みでは優位に立てる。

また、玉頭からの逆襲の筋もしにくい為3筋の位がより安定する意味も大きい。

最近玉頭位取りを指すようになって思うのだが、この2筋の位はかなり大きくて将来的な△26歩の突き捨てから△25歩の継ぎ歩△26歩の垂れ歩の筋ができて攻め味が広がるだけでなく、振り飛車玉の▲17玉からの脱出路に備えている意味も大きい。よく美濃囲いの端歩は終盤で金銀2枚分の価値というが2筋の位は終盤で金駒一枚分くらいは得していると思う。

当然、自玉のスペースの確保にもなっているので総合的にみればかなり得な気がする。

ただし、相手に桂馬や香車があると▲25桂打や▲25香打などもあるのでメリットばかりではないので注意する必要がある。

あと最近は33角と上がる手を意識して早めに指すようにしている。

22玉と玉を深く囲う意味も当然あるが、振り飛車側から22角成と先着されると同玉と取った形が一瞬金銀から玉が離れてしまうので▲33角成に同桂とした方が断然玉の形がいい。

玉頭位取りはこのあたりの玉頭方面のどの手を優先させるかは結構気を使う部分で難しい。

局面は後手が△45歩と突いて4筋の歩交換を仕掛けたところ。

先手は飛車を4筋や5筋に転戦して仕掛けを伺っていたが、5筋に移動したのでタイミングとばかりに角道を通した。

この4筋の歩交換は結構大きくて、玉頭位取りは持ち歩の枚数が多いと攻め筋が広がる意味合いと何かの時に41歩の底歩でシャットアウトする手と攻守共に大きな意味がある。

局面は進んで、今先手が▲86歩と仕掛けてきたところ。

後手は手待ちの意味もあって、手損ながら△22玉と△32金を入れて、銀立ち矢倉を完成させた。

当然玉が深い位置にいるので銀立ち矢倉は戦場から遠ざかっている意味があり優秀な陣形だが、単純な堅さだけなら△32玉△42金型の方が堅い。

銀立ち矢倉は飛車を下ろされて32の金に銀を引っ掛けるような手くらいで簡単に崩壊してしまう。このあたりが穴熊左美濃と違って囲いの堅さにものを言わせて戦う戦型と大きく異なるところだと思う。

局面は△55銀と金銀交換を挑んだところ。

後手は玉頭方面に手を費やしているので、物量で8筋を攻められると放棄せざるを得ない。

先手は8筋突破が約束された状況だが、▲83歩成、▲72と、▲81飛成と飛車を捌くのにまだ手数がかかるので、後手としては戦場を5筋に拡大させてその間に戦果を得たいところ。

形勢判断としては、玉形は先手は片美濃で2枚の囲いなのに対して、先手は金銀3枚で銀立ち矢倉の綺麗な形さらに2、3筋の位が大きく玉形は後手よし。

現局面は駒の損得はないが金銀交換が成功しそうなので駒割も後手がよくなりそう。

駒の働きは大駒や左の桂香に大差はないが、金銀が離れていて特に先手の67銀が中途半端なので後手よさそう。

手番は先手だがまだ中盤戦でそこまで重要ではなさそうということで後手がなかなかうまくやっている。

評価値的には後手に100点程で互角の形勢みたいだが、実戦的には後手がいいと思う。

局面は55で金銀交換をして、▲56歩に△75飛で勢いズバっと飛車角交換で飛車を捌いて、先手は▲83歩成と、と金を作った手に対して△48歩△同金と一発利かしが入ったので△87歩▲同飛△86歩と歩を叩きまくって攻めているところ。

本譜は同飛と応じてくれたので△59角が入ったがここでじっと▲89飛とする手があったみたい。

そうされると後手は飛車を渡している為形勢は互角ながらかなり大変だった模様。

本譜は△59角打で金桂両取りが入って後手有利に。

ここでは欲張らずに歩を叩かず△79角打と飛車に当てつつ馬を作る手が良かったみたい。

▲89飛はいい手だけど対局中は全く読みに入っていなかった。

局面は△77角成と桂馬を取りながら馬を作った手に▲84飛と逃げたところ。

先手玉が結構薄いのとまだ先手からの攻めには猶予があることここで攻め続けなければ‼︎と思い、ここで△66角と駒損覚悟で飛び込んだがこれは疑問手だったみたい。△66角は先手の84飛に当てながら好位置に角が飛び出す手と思い指してしまった。

△75桂くらいで銀を攻めて後手優勢だったみたい。

対局中は2枚飛車で攻められる前に攻めきってしまえとえいやで指してしまったが冷静に対処されると難しい形勢だったようだが...

本譜は馬銀交換で大きな駒損だが角が急所に飛び出して、△39銀と先手の急所にその銀を打ち込めて一気に優勢となった。

この後は、▲17玉に△48角なりから銀をさらに入手して寄せがうまくいった。

なかなかの完勝譜となった。