厚み重視ブログ

将棋のメモ用

角換わり腰掛け銀(旧型) 自戦記(33)

今回はかなきち先生のYouTubeライブ(かなきち将棋道場LIVE生配信新企画将棋ウォーズ友達対局 友達対局 えっ!!八段!! - YouTube)で友達対局をしていただけたので記念に棋譜を残しておきます。

今回自分は後手番で、かなきち先生が先手となりました。ライブでの対局ということで3切れや10秒将棋でサクサク指したいところ私のワガママを聞いていただけて10切れでご指導いただけました。

 

初手から

▲7六歩△8四歩▲2六歩△8五歩▲7七角△3四歩▲6八銀△3二金▲2五歩△7七角成▲同銀 △2二銀▲7八金△3三銀▲4八銀△6二銀▲4六歩△6四歩▲4七銀△4二玉▲1六歩△9四歩▲9六歩△7四歩▲6八玉△5二金▲5八金(図1)

初手▲7六歩の出だしで後手番の私が角換わりを目指しましたので先手は素直に応じていただけました。後手番でしたので△6四歩型角換わり棒銀をぶつけてみたいと思って△5二金としたのですが、▲5八金と先手も旧型を目指されたのが図1です。

 

図1から

△7三桂▲5六銀△1四歩▲3六歩△6三銀▲6六歩△5四銀▲7九玉△3一玉▲3七桂△6二飛(図2)

△6四歩型角換わり棒銀は旧型に対してはあまり得な作戦ではないと思い△7三桂と棒銀を目指すのはやめたのですが、かなきち先生の対局中の発言で「ここから棒銀を目指してくる人もいます」とおっしゃっていましたので△6四歩型角換わり棒銀はマイナーな戦法だと思っていたのですが棒銀をしてくることも想定内だったようです。

お互いに腰掛け銀に構えて旧型の相腰掛け銀模様となったのですが流石に42173の攻めを受け止める自信はなかったので△4四歩は保留して△6二飛と右四間に構えて6五を争点にして戦う方針を選びました。

図2から

▲4五歩△8四角打▲4六角打△4二金右▲6七金右△2二玉▲8八玉△9二香(図3)

後手は4四歩を指していないので▲4五歩と4筋の位を取られて▲4六角と設置されてしまいました。こちらも△8四角と設置して6五で決戦してやろうと思っていたのですが金銀を手厚く構えられて手出しができないので△4二金右と玉にくっつけて△2二玉と深く囲ってタイミングを見ていたのですが先手にも十分に駒組みされてしまってなかなか手出しができない形となってしまいました。△9二香は将来6五歩と突いた時に香車をダイレクトに取られないように手待ちした意味だったのですがこの辺りはすでに後手作戦負けみたいで先手の4筋の位が大きいみたいです。いずれにしても後手番から局面を打開する義務はないと指導対局にしては消極的な展開なのですが先手から動いてもらうつもりでこのあたりは徹底待機策のつもりでした。

図3から

▲2四歩△同歩 ▲3五歩△同歩 ▲2六飛△6五歩▲同歩 △同桂 ▲6六銀△6四歩打(図4)

先手からどうやって仕掛けてくるか全くわからなかったのですが、▲2四歩と2筋の突き捨てられてみるとこれは同歩も同銀も嫌なところです。先手に銀を渡すと5一に割打される傷を後手は抱えているので先手に銀を渡すような展開にしづらいのが後手の泣きどころです。

結局△2四同歩と歩で応じたのですがこれは先手に歩を渡すと▲2五歩からの継ぎ歩攻めがあるのでかなり悩んで△同歩を選択しました。どこかでは歩を入手されてその筋の攻めは予想されるのですがその一歩が瞬間ないのでこちらの方が被害が少ないという判断だったのですがこれは正解だったようです。

ただ先手から▲3五歩と突き捨てられて△同歩に▲同角と歩を補充してくるなら桂頭に歩を打てるので後手がいいだろうと思っていたのですが▲2六飛と一回冷静に飛車浮きで桂頭の傷を消されて手を渡すのが部分的な筋のようでこうやって手を作るのかと大変勉強になりました。桂頭の傷を消されて次こそは先手からの猛攻が来てしまうので後手も攻め合いに活路を見出さなければいけないと△6五歩と満を侍して反撃したのですが、▲同歩と応じられて本当は△同銀と決戦を仕掛けたいのですがやはり銀を渡すと先手の方が銀の使い道が多く後手陣の方が5一や7三に打ち込まれて苦しくなってしまうと考え△同桂と指しました。

先手は自然に▲6六銀と手厚く構えられてしまって上手い攻め方がわからなかったので△6四歩と桂馬を支える手を違うと思いながら指したのですがこの手はかなり悪い手のようで評価値も先手にかなり振れてしまいました。

後手の駒組みは6五でドンパチやって反撃する将棋の作りだったのでここに歩を打ってしまうのは飛車道が重たくなってしまいますし今までの後手の方針から考えてもない手だったようです。ここまで先手は2分40秒ほどしか時間を使っていないのに後手は7分40秒も時間を使ってしまっているのも痛くて後手は局面も悪く時間も大差です。

図4から

▲2五歩打△3四銀▲2四歩△2五歩打▲同桂 △2三歩打▲3三歩打△同桂 ▲2三歩成△同金
▲3三桂成△同金上▲3六歩打△2五歩打▲2九飛(図5)

先手は6筋で手に入れた1歩を▲2五歩と使ってついに継ぎ歩の攻めが来てしまいました。△3四銀と頑張って先手の飛車を抑え込みにかかりました。先手からの攻めは強烈だったのですが桂交換は許してしまいましたが△2三歩〜△2五歩と玉頭に厚みを築いて飛車を2九に撤退させた図5の局面はなかなか頑張ってさせたと思っています。この図5の局面は後手も互角の評価値ですし対局中もうまく対応できたと感じていました。

ただし後手陣は厚みは築けたものの先手陣が鉄壁で攻め合う筋がないので評価値以上に後手が勝つのは大変な局面に変わりは無さそうです。

図5から

△4五銀左▲同銀 △同銀 ▲3五角△4四銀打(図6)

後手陣は金が移動できたので割打の筋を解消できたので銀を捌きに△4五銀とぶつけていったのですがここでは冷静に△3六歩としておく方が優ったようです。

先手に素直に応じられて▲3五角と出られて5三角成を許すわけにはいかないので交換した銀を後手は△4四銀と投入しなければいけません。

ただ局面は互角を推移しているようで手厚く指す本譜の方針はここまではそんなに悪くなかったかもしれません。△4四銀打自体は角成を受けつつ角当たりで先手も取っているのでなかなかな手だったようです。

図6から

▲同角 △同歩 ▲3五桂打△2四金直▲2三歩打△同金寄▲同桂成△同玉 ▲3五銀打△同金 ▲同歩 △2四銀打(図7)

ズバッと▲同角と角切りから切り崩すのが切れ味抜群で対局中は逃げる一手とばかり思っていましたがそんな緩い手は指してくれませんでした。△同歩と応じて▲3五桂が厳しい追撃で桂馬で金を剥がされては堪らないと△2四金直と逃げたのですがこれがはっきり悪い手だったみたいでここでは△5五桂と攻め合いに活路を見いだすところだったみたいです。

やはり先手陣に怖いところがないので攻めさえ繋がってしまえばいい局面になってしまっているのですが3五桂から金を剥がされてもまだ後手陣はなんとか耐えていたみたいでとにかく先手陣に傷を作るように指さなければ勝負所はなかったようです。△2四金直には▲2三歩と調子のいい攻めが続いてしまいました。本譜は素直に精算してしまったのですがここでは△3二玉と逃げておく方が相手の持ち駒が銀だけなのでよかったみたいです。

本譜は華麗に相手の攻めが繋がって△2四銀は受けになっていません。この手自体は先手の飛車走りを受ける意味だったのですが...
図7から

▲4六歩打△同銀 ▲3四金打△3二玉▲4三銀打△4一玉▲2四金△5七桂成▲3三金△5一玉▲5七銀△同銀成▲6三桂打△投了

▲4六歩打が激痛で後手陣はハッキリ崩壊してしまいました。△同銀に▲3四金と流れるような華麗な攻めを喰らってしまい形勢はハッキリ先手勝勢です。仕方なく玉を下段に逃して逃走を図りますが金銀に押し潰されて物量で攻められてしまいました。せめてもの抵抗で△5三桂成と手遅れながら攻めてみますがこの桂を取られて▲6三桂と打ち込まれて即詰みに討ち取られてしまいました。

後手が形勢が良くなった局面は全然なかったのですが憧れのかなきち先生にご指導いただけて大変貴重な経験になりましたし、攻め筋の鋭さにも自分と強者の感覚の違いも段違いであることを改めて感じることができました。

とてもいい勉強になった一局となりました。

対局ありがとうございました。

 

 

 

▲7六歩△8四歩▲2六歩△8五歩▲7七角△3四歩▲6八銀△3二金▲2五歩△7七角成▲同銀 △2二銀▲7八金△3三銀▲4八銀△6二銀▲4六歩△6四歩▲4七銀△4二玉▲1六歩△9四歩▲9六歩△7四歩▲6八玉△5二金▲5八金(図1)

△7三桂▲5六銀△1四歩▲3六歩△6三銀▲6六歩△5四銀▲7九玉△3一玉▲3七桂△6二飛(図2)

▲4五歩△8四角打▲4六角打△4二金右▲6七金右△2二玉▲8八玉△9二香(図3)

▲2四歩△同歩 ▲3五歩△同歩 ▲2六飛△6五歩▲同歩 △同桂 ▲6六銀△6四歩打(図4)

▲2五歩打△3四銀▲2四歩△2五歩打▲同桂 △2三歩打▲3三歩打△同桂 ▲2三歩成△同金
▲3三桂成△同金上▲3六歩打△2五歩打▲2九飛(図5)

△4五銀左▲同銀 △同銀 ▲3五角△4四銀打(図6)

▲同角 △同歩 ▲3五桂打△2四金直▲2三歩打△同金寄▲同桂成△同玉 ▲3五銀打△同金 ▲同歩 △2四銀打(図7)

▲4六歩打△同銀 ▲3四金打△3二玉▲4三銀打△4一玉▲2四金△5七桂成▲3三金△5一玉▲5七銀△同銀成▲6三桂打△投了

まで101手で先手の勝ち