厚み重視ブログ

将棋のメモ用

▲玉頭位取り対△力戦向かい飛車 自戦記(26)

初手から

▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀△3二銀▲6八玉△4三銀▲5八金右△5四銀▲2五歩△3三角▲7八銀(図1)

後手が雁木の可能性もある駒組みなので警戒した形の序盤です。

後手は早めに5四銀として飛車の態度を保留したままで玉頭銀を目指す作戦でした。

とりあえず2筋の飛車先を▲2五歩と決めて△3三角を強要して▲7八銀と一旦美濃囲いを作っておいたのが図1です。

図1から

△2二飛▲6六歩△4五歩(図2)

△2二飛と向かい飛車に構えてきました。これは先手が▲2五歩と決めたので指してきたのだと思います。後手から△2四歩と2筋を逆襲する狙いもあるところなので先手もその筋は用心して駒組みをしなければいけません。

▲6六歩は角道を閉じる手なので少し消極的だったかもしれませんが、早い開戦からドンパチやられるのは嫌だったのでゆっくりした展開にして指そうという意味です。

対して後手は△4五歩と角道を開けて積極的な駒組みです。

 

図2から

▲6七銀△6二玉▲7八玉△7二玉▲7五歩△6二銀(図3)

▲6七銀は中央を手厚くしておいて左銀を活用していく意味ですが、代えて▲7七角から玉を深く囲っておいておくような将棋もあったと思いますが、後手の左銀が5四銀の形の場合は玉頭位取りを目指した時に振り飛車側の銀の活用が結構大変だと思っているので深く囲って戦う方針はあまり考慮しませんでしたがそちらを選んでもよかったかもしれません。

お互いに玉形の整備をしますが、▲7五歩と玉頭の位を取る形をみて後手は△6二銀としてきました。

3手囲い(早囲い)の形は美濃囲いと比べると脆いのですが一手早く玉形が整備出来るメリットと5一金右とした時に自陣の隙が少ないので角交換になった際に打ち込みの隙が少ないといったメリットもあるのでなかなか嫌な囲いです。

また玉頭位取りは組み上がるまでに手数がかかる布陣なのでこちらの陣形が組み上がる前に戦いを起こそうという狙いだと思います。

図3から

▲7六銀△5五銀▲6七銀△4六歩▲5六歩△4七歩成▲同銀 △6四銀▲7六銀△5四歩▲6八金上△5二飛▲6七金右△4二飛▲4六歩打△5五歩▲6五歩△5三銀引▲5五歩(図4)

▲7六銀と7五の歩を支えにいきますが、△5五銀と出てくる手が6六の歩取りになっていて嫌なようにみえるのですが▲6七銀と戻っておくのが用意の手です。

一見手損のようですが、後手の攻め駒はバラバラで攻めが軽いのでしっかり受け止めてしまえば二の矢がありません。

△4六歩とそれでも攻めてきますが、▲5六歩と突き違いの歩で5五銀を追っておけばやはり後手の攻めは続かない格好です。

△4七歩成としますが▲同銀と応じておいて5五銀取りが残っているので後手は△6四銀と引き上げますが、再度▲7六銀と7筋の位を支えておけば後手は動いたわりに4筋の一歩交換しか戦果を挙げることができなかったのに対して先手は中央に厚みを築くことができて大満足です。

次に▲6五歩とされると6四銀が殺されてしまうので、△5四歩と銀の退路を開けましたが▲6八金と閉まっておいてゆっくり模様勝ちしていけば十分という考えでした。

ただ、ここでは▲6五歩から決戦を挑んでも先手が良かったみたいです。

本譜は△5二飛となんとか動こうと手を尽くしますが、▲6七金右と自然に駒を活用しておいて△4二飛の銀取りにも▲4六歩としっかり受けておけば大丈夫です。

△5五歩ととにかく駒をぶつけてきますが、角道が塞がった瞬間に▲6五歩と銀を追い返して△5三銀と退がらせてしまえば▲5五歩と取り込めます。

この図4の局面での形勢判断は先手の一歩得で7〜5筋の位が大きく模様も十分です。玉の固さはお互いに金銀3枚なのですが、やはり位の圧力が厳しく先手に分があります。総合的にみても先手の位が後手の駒を圧迫しているのが大きく先手が指しやすい局面です。

図4から

△4四銀▲5六金△4五歩打▲3六歩△4六歩▲同銀 △4五歩打▲5七銀△5二飛▲6六銀△3二金(図5)

後手は有効手が少ないのでなんとか手を作りたいところなので△4四銀と5五歩を狙いながら次の△4五歩と合わせる手を狙って攻めてきますが、▲5六金が手がピッタリの手で実際の対局なら手がしなるくらい味のいい手です。

先手の強みは7〜5筋の位と一歩得なのでそのどちらも維持しながら受ける手です。また7〜5筋に3つ並んだ位は先手の生命線ですからこの位をガッチリ▲5六金と支えておくことでディフェンスラインを高く維持して盤面の制圧することで模様の良さが大差です。

先手は盤面全体を支配しようと金銀が名一杯突っ張っている形なので後手としては喰い破ってしまえば話は早いと△4五歩と合わせて攻めの継続を図るのですが▲3六歩と後手の銀の進出を抑えておけば後手の駒は前に出れません。

仕方がないので△4六歩と取り込んできますが、▲同銀となった形はまた先手の銀だけが進んだ形で後手苦しい状況が続きます。

△4五歩と一回は4筋を治めて▲5六銀に△5二飛と今度は5筋に狙いをつけるのも▲4四銀と活用しておけば先手の位は盤石でもう後手から手出しが出来ない形となりました。後手の陣形は有効手も少ないので指す手がない状態ですが△3二金としてなんとか金の活用をしてきたのが図5です。

図5から

▲1六歩△4三金▲7七角△7一金▲9六歩△1四歩▲8六歩△2二飛▲8五歩△2四歩▲同歩 △同角 ▲8七玉(図6)

▲1六歩と後手の1五角と出る筋も消しておいて△4三金と攻め駒を足してきますが▲7七角と上る手がまたなかなかの手で後手から有効な手がないので先手はどんどんいい形にしておきます。△7一金は唯一後手が入れることのできる有効手だと思いますが先手はまだまだ指したい手がいっぱいあるので9六歩と今度は玉側の端歩を突いて玉側の充実を図ります。△1四歩はもう指す手がないと認めたような手で後手にどれだけ得になってるかは微妙です。

先手は▲8六歩から▲8五歩と8筋まで位を取ってしまえば玉が非常に広くなったのに対して後手は息苦しい形です。

△2二飛から△2四歩はよくある反撃なのですが▲同歩に△同角として飛車の素抜きを狙いますが▲8七玉とかわしておくのが玉頭の位を活かした受けで玉が戦場から遠く離れてめちゃくちゃ安全な形になりました。

図6から

△3三銀▲2五歩打△1三角▲4七歩打△5二飛▲7八金(図7)

△3三銀は苦心の手で2二飛に紐をつけて次に△6八角成からの大捌きを狙っている意味ですが▲2五歩と抑えておけば飛車を捌かれることはありません。△1三角と引いた形はいかにも後手が苦しい格好です。

▲4七歩は渋い手で将来の△4六角や△4六歩とと金を作りにくるような手を事前に受けた意味です。△5二飛に▲7八金がまた渋い手で△6八角成と駒損でも暴れてくる筋があるので角の利きから金が逃げておいて万全な状態にする意味です。

図7から

△3一角▲2四歩△2二歩打▲3七桂(図8)

△3一角は悪手で▲2四歩の突き出しが厳しいです。▲2三歩成とと金を作られてはいけないので△2二歩と耐え難きを耐えて謝ってきましたがこうなっては後手はいいところが一つもありません。先手は▲3七桂と右桂まで活用しておけば盤面に遊び駒がない形で全部の駒が名一杯働いています。

図8から

△4四銀▲2三歩成△同歩 ▲同飛成△2二飛▲4三龍△2九飛成▲8八金△3三銀▲4五桂△1九龍▲3三桂成△同桂 ▲同龍 △1三角(図9)

△4四銀は歩取りを受けた意味ですが、▲2三歩成が激痛です。以下△同歩に▲同飛成が金取りに当たっているのが大きく△2二飛と手筋のぶつけで対応した時に▲4三龍と金を取れて先手が大きく駒得して大優勢となりました。△2九飛成と攻めあってきますが、先手は事前に桂が逃げているのも利いています。

▲8八金と8九桂に紐をつけて、△3三銀と後手も銀を逃しますが▲4五桂が絶好の桂跳ねで全軍躍動です。

以下△1九龍と香車を補充しますが3三で精算して△1三角と角を逃した局面が図9です。

駒割は香と金銀の交換となっていて玉形も固い先手が大優勢です。

図9から

▲5四歩△7九角成▲5三歩成△9四桂打▲9五銀打△8九馬(図10)

▲5四歩と攻めて、△7九角成と後手も攻め合いますが▲5三歩成と5三にと金ができるのは大きく先手の攻めは切れないです。

△9四桂打と先手の嫌味に桂馬を設置されますが▲9五銀打と桂頭の銀で受けておけば先手玉に怖いところはありません。△8九馬と最後の特攻をしてきますがこの手がなんでもないので攻めあって先手勝勢です。

図10から

▲6二と△同金 ▲5四桂打△5二歩打▲6二桂成△同玉 ▲6四歩△5三香打▲6三歩成△同玉 ▲6四歩打△同玉 ▲6五金△6三玉▲6四歩打△投了

上から押し潰して寄せ切ることができました。

本譜の▲6四歩のところで▲5三金打から即詰みがあったのですがそこは見逃しで詰めろで迫って寄せましたが終盤の詰みが読みきれなかったのは課題として、玉頭位取りらしい押し潰す快勝譜となったのはよかったです。

 

 


▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀△3二銀▲6八玉△4三銀▲5八金右△5四銀▲2五歩△3三角▲7八銀(図1)

△2二飛▲6六歩△4五歩(図2)

▲6七銀△6二玉▲7八玉△7二玉▲7五歩△6二銀(図3)

▲7六銀△5五銀▲6七銀△4六歩▲5六歩△4七歩成▲同銀 △6四銀▲7六銀△5四歩▲6八金上△5二飛▲6七金右△4二飛▲4六歩打△5五歩▲6五歩△5三銀引▲5五歩(図4)

△4四銀▲5六金△4五歩打▲3六歩△4六歩▲同銀 △4五歩打▲5七銀△5二飛▲6六銀△3二金(図5)

▲1六歩△4三金▲7七角△7一金▲9六歩△1四歩▲8六歩△2二飛▲8五歩△2四歩▲同歩 △同角 ▲8七玉(図6)

△3三銀▲2五歩打△1三角▲4七歩打△5二飛▲7八金(図7)

△3一角▲2四歩△2二歩打▲3七桂(図8)

△4四銀▲2三歩成△同歩 ▲同飛成△2二飛▲4三龍△2九飛成▲8八金△3三銀▲4五桂△1九龍▲3三桂成△同桂 ▲同龍 △1三角(図9)
▲5四歩△7九角成▲5三歩成△9四桂打▲9五銀打△8九馬(図10)
▲6二と△同金 ▲5四桂打△5二歩打▲6二桂成△同玉 ▲6四歩△5三香打▲6三歩成△同玉 ▲6四歩打△同玉 ▲6五金△6三玉▲6四歩打△投了
まで111手で先手の勝ち